預金3,000万円の資産運用方法は?

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預金3,000万円の資産運用方法は?

資産運用

預金3,000万円の資産運用方法を考えているものの、「せっかくもらった退職金が減ったら嫌だな」「損するのは怖いな」と二の足を踏む方は多いです。しかし、インフレの定着や長生きリスクなど、将来の不安の解消のため資産運用の必要は増しています。

預金3,000万円の資産運用方法は主に、①ネット証券を利用し自己判断で運用、②資産運用のプロに相談することが挙げられます。

また、預金3,000万円の規模になると、投資先は株式や債券、投資信託などさまざまな資産クラスに分散投資が可能になってきます。

本記事では預金3,000万円を運用するにあたり、これまで説明した内容について詳しくお伝えすることに加え、プロに相談する場合の相談先についても解説します。

最後までご覧いただけますと幸いです。

預金3,000万円ではインフレ時代には不十分?

数年前「老後2,000万円問題」が話題となり、老後生活に不安を覚える人が急激に増えました。具体的には、厚生年金を受け取る夫婦ふたりが平均寿命まで生活する場合、「年金の他に2,000万円が不足する」という内容でした。

この話だけを聞くと、「3,000万円あれば十分だな」と思いますが、ロシア・ウクライナ戦争以降、エネルギー価格をはじめ、さまざまな物価上昇により家計の生活費は大きく上昇しています。

また、日本銀行はインフレ率を安定的に年率2%上昇させようと金融緩和を継続しており、これからもインフレは続いていく公算です。

更に、2023年は多くの民間企業が賃上げを実施しており、連合の「2023春季生活闘争 第4回回答集計結果」では、2023年の平均賃上げ率が3.69%と30年ぶりの高さとなり話題となっています。

つまり、モノ・サービスの価格は上がるものの、私たちが預ける銀行金利はこれからもほとんど無いに等しい状態が続くということです。

預貯金が目減りするとは…

「インフレ率>預金金利」を続けた場合、お金の価値が目減りするという話は聞いたことがあると思います。

具体的な例を見ていきましょう。

年齢50歳60歳70歳80歳90歳
金融資産残高3,000万2,451万2,002万1,636万1,337万
目減り額0万▲548万▲997万▲1,363万▲1,662万
※インフレ率2%が続いた場合を想定

上記の図は、物価上昇率2%の中、預貯金を何も運用せず置いていた場合の価値を示しています。

インフレが続く場合は、「老後の生活費として2,000万円は確保してあるから大丈夫」と考えていても、10年経てば500万円以上現金の価値が減ってしまうのです。

もちろんインフレが収まり、過去のようなデフレ状態に後戻りするのであれば、預貯金のままでも良いと思います。ただ先述の通り、日本企業による30年ぶりの賃上げ率や世界情勢を勘案しても、しばらくは今のような状態が続くのではないでしょうか。

次に、年率2%の複利運用をした場合を見ていきましょう。

年齢50歳60歳70歳80歳90歳
金融資産残高3,000万3,509万円4,110万円4,814万円5,639万円
増加額0万509万円1,110万円1,814万円2,639万円
※年率2%複利運用をした場合

長期にわたり運用を続けることで、より複利運用の効果が高まっていることが分かります。

最低でも日銀が追い求める期待インフレ率(物価上昇率)2%を下回らないように資産運用ができれば、預貯金の価値の目減りを防ぐことに加え資産の拡大にも繋がります。

投資経験が浅い方は、まず年率2%の運用を目指してみたらどうでしょうか?

預貯金3,000万円を運用するには?

では、3,000万円の預貯金はどのように運用するのか、また運用の手段はどのようなものがあるのか具体的に見ていきます。

自己判断で運用

まずひとつ目は、インターネット証券や銀行口座で運用する方法です。

証券会社や銀行の担当者を介すことなく取引を行うため、なるべく手数料を払いたくない人、営業を受けることが煩わしい人、投資に詳しい人にお勧めの方法です。

最近はインターネットやSNSから投資に役立つ情報は簡単に集まります。ただし、資産運用のプロ以外が発信する情報も多く混ざっており、誤った情報には注意が必要です。

資産運用のプロに相談する

次に、証券会社や銀行の担当者に相談する方法です。

あなたの年齢や家族構成、金融資産などライフプランに沿ってどんな商品で運用すれば良いかプロが提案してくれます。3,000万円もの大金を運用するのであれば、担当者がいる方が安心です。

ただし自己判断で運用するのと違い、担当者を介すことで対面手数料が発生します。同じ商品を購入するにしてもインターネットだと無料、対面だと3.3%(税込)ということはよくあります。

また、基本的に証券会社や銀行の担当者は営業マンです。自分自身の成績や会社方針などから、必ずしもあなたに本当に最善の提案をしてくれるか分かりません。自分にとって最適な提案かどうかをしっかり見極めることも必要です。

3,000万円の運用先は?

3,000万円の運用先

3,000万円の預貯金を運用する場合、まず「株式20%、債券30%、投資信託20%、定期預金30%」のように分散投資ができるポートフォリオの比率を考えます。そのうえで、これから解説する商品から投資先を選定します。

株式投資

企業の株式を購入し、値上がり益及び配当を得る方法です。上手くいけば企業の成長とともに大きな値上がり益の拡大が可能で、資産を大きく増やすことができます。

ただし、株式は会社の業績以外にも世界景気や天候など、さまざまな要因で価格が変動するため、リスクが大きいことには注意が必要です。

投資信託

1,000円、10,000円といった少額から購入可能なのが投資信託です。世界の株式、債券、商品など、さまざまな投資先に分散投資できるため、リスクの分散をしながら運用できる点が魅力です。

デメリットとしては、購入後も運用手数料(※信託報酬)がかること、商品が数千本あるため、担当者がいない場合何を購入すれば良いか分からない等が挙げられます。

債券投資

債券は国や会社などにお金を貸す代わりに利金(金利)を受け取る方法です。

満期まで保有することで額面通り戻ってくるため、長期的に利金を受け取りながら安定的に運用が可能です。

ただし、国債など国内債は低金利下にあり、十分な金利獲得ができない点には注意が必要です。米国債など高い金利を獲得するためには為替リスクが伴います。

また、債券についてはインターネット上で簡単に情報が得られないため、債券投資をするのであればプロに相談する方が良いでしょう。

預貯金3,000万円の運用の相談先は?

これまで解説してきたように、預貯金3,000万円の運用は株式や投資信託などの金融商品が中心になると思います。

また、3,000万円の原資があれば、長期にわたり計画的に運用すれば5,000万円を超える資産形成も夢ではありません。

そこで、少しでも不安点がある方、今ある資産を有効活用したい方にはIFAへの相談をお勧めします。

IFAとは…証券会社から独立した組織で、中立的な立場から金融商品を中心に資産運用の提案を行うプロ。複数の証券会社や生命保険会社と提携しているケースが多く、さまざまな商品ラインナップから最適な提案を行うことが可能。

まとめ

ここまで預貯金3,000万円の運用について解説しましたが、一口3,000万円といっても年齢や家族構成、不動産の保有状況によっても最適な運用方法は大きく違います。

3,000万円を増やす必要ある方、目減りしないよう守る方、など皆それぞれです。

長期にわたり計画的に資産運用をするのであれば、まずはプロに相談するのはお勧めです。

少しずつ日本でも「自分の身は自分で守る文化」になりつつあります。資産運用もその一環であり、早急に生涯にわたる資産運用のパートナーを見つけましょう。

ifaへの相談の流れ

著者

永尾 大地

(株)outperform
代表取締役

不動産業に特化した広告代理店、証券会社、不動産会社、個人事業主として金融仲介業(IFA)等を経て(株)outperformを設立。金融商品だけではなく、不動産などを含めたコンサルティングを行っており、資産を「増やす・守る・遺す」といったあらゆる資産運用ニーズに応えている。
会社経営者や不動産オーナーなど、個人・法人を問わず好評を得ている。
保有資格:AFP、宅建士