2027年にスタートする「こどもNISA」の制度と活用術について解説
お子様の将来に向けた資産形成を考える際、切っても切り離せないのが「教育資金」の準備です。かつては学資保険や定期預金が主流でしたが、低金利環境の継続や物価上昇(インフレ)のリスクを背景に、投資信託などを活用した資産運用の必要性が高まっています。
そのような中、大きな注目を集めているのが、2027年度から導入が予定されている「未成年者向けの新たな非課税投資制度」、通称「こどもNISA」です。2025年末の税制改正大綱により、その具体的な輪郭が見えてきました。
2023年末に旧ジュニアNISAの新規投資枠が終了し、現在は未成年者が投資を行うための非課税制度がいわば「空白期間」にあります。新しい制度である「こどもNISA」がどのような役割を果たし、家族の資産設計にどう組み込むべきなのか。制度と活用術について解説いたします。
目次
1. なぜ今、新しい「こどもNISA」が必要となっているのか

2024年にスタートした「新NISA」は、18歳以上の成人を対象とした劇的な拡充を遂げました。一方で、18歳未満の子どもに関しては、2023年をもってジュニアNISAが終了したため、現在は課税口座(特定口座や一般口座)でしか運用ができない状態が続いています。
2027年にスタート予定の「こどもNISA」は、まさにこの空白を埋めるための制度です。しかし、制度が作られる背景には、単なる「投資の促進」以上の意味があります。それは「お金の価値の守り方」の変化です。
インフレという目に見えないリスク
かつてのように物価が安定していた時代であれば、現預金で教育資金を貯めることは正解の一つでした。しかし、昨今の物価上昇を鑑みると、18年後に「100万円」で買えるサービスや教育の内容が、今と同じである保証はありません。
教育資金準備において「元本が減らないこと」を重視するあまり、実質的な購買力が低下してしまうリスクを無視できなくなっています。こどもNISAは、こうしたインフレリスクに対抗し、長期的な視点でお子様の資産を守り育てるための「有効な箱」としての役割が期待されています。
2. 2027年版こどもNISAの仕組みと「60万円」の意味
2027年から開始される「こどもNISA」の骨子として、以下の数字が示されています。
- 年間投資枠: 60万円
- 非課税保有限度額(生涯投資枠): 600万円
- 投資対象: つみたて投資枠の対象商品
- 払出し制限: 12歳以降(中学入学時など)から一定の条件で可能になる見込み
年間60万円という設定の背景
なぜ年間120万円(成人のつみたて投資枠)ではなく、60万円なのでしょうか。ここには、日本の税制や家計のリアルな構造が反映されていると考えられます。
まず、年間60万円は「月額5万円」に相当します。これは、拡充された児童手当の受給額や、一般的な現役世代の家計が教育資金として捻出できる積立額の目安として、非常に現実的なラインです。
また、贈与税との兼ね合いも重要です。贈与税の基礎控除額は年間110万円であるため、親や祖父母から「こどもNISA」の原資として年間60万円を移転させても、他の贈与と合わせて枠内に収まりやすく、スムーズな資産承継を後押しする設計になっています。
旧ジュニアNISAからの改善点
2023年末で終了した旧ジュニアNISAにおいて、最も使い勝手が悪いとされていたのが「18歳までの払出し制限」でした。原則として子どもが高校を卒業するまで資金を引き出すことができず、中学・高校の入学金といった急な資金ニーズに対応できませんでした。
新制度では「12歳以降」という、より早い段階での活用が検討されています。これにより、大学資金だけでなく、中学・高校の教育費としても非課税メリットを享受できる可能性が広がり、制度としての実用性が格段に高まっています。
3. 教育資金準備の「最適解」を再定義する

「こどもNISAが始まるなら、学資保険はやめたほうがいいのか?」 「やはり投資信託一本にするべきか?」
このようなご相談をよくいただきますが、株式会社outperformでは、どちらか一方が「正解」であるとは考えていません。大切なのは、それぞれの特性を理解し、ご家庭の状況に合わせた「組み合わせ(ポートフォリオ)」を作ることです。
学資保険の役割:確実性と保障
学資保険の最大の強みは、万が一の際の「保険機能」です。契約者である親に万が一のことがあった場合、以降の保険料払込が免除され、満期金が保証される仕組みは、投資信託にはない安心感を提供します。また、受け取れる金額が確定しているため、資金計画が立てやすいというメリットもあります。
こどもNISAの役割:成長性とインフレ耐性
一方、こどもNISA(投資信託)の強みは、複利の効果を最大限に活かせる「時間」があることです。0歳から運用を開始すれば、大学入学まで18年間の運用期間を確保できます。15年以上の長期・分散投資は、元本割れのリスクを大幅に低減させ、現預金を上回るリターンを期待できる可能性が高いとされています。
ハイブリッド戦略のススメ
例えば、大学入学時の最低限必要な入学金は「学資保険」や「現金」で確保し、それ以外の授業料や留学費用、将来の結婚資金などは「こどもNISA」で運用するといった使い分けです。「安心」と「効率」のバランスをどこに置くかは、ご家庭のキャッシュフローによって異なります。
4. 親のNISA枠と「こどもNISA」どちらを優先すべきか?

成人の新NISAには、一人あたり最大1800万円の非課税保有限度額が設定されています。もし親自身のNISA枠がまだ余っている場合、あえて子供名義で運用を始める必要があるのでしょうか。
優先順位の整理
論理的に考えれば、まずは「親のNISA枠」を優先することが一般的です。親名義であれば教育資金だけでなく、老後資金や急な出費など、用途を限定せずに柔軟に活用できるからです。
しかし、以下のケースでは「こどもNISA」を優先、あるいは併用する意義が出てきます。
- 家族全体の非課税枠を最大化したい:
親の枠が1800万円に達する見込みがある場合、子ども名義の600万円を合わせることで、家族で利用できる非課税枠を広げることができます。 - 資産承継(贈与)を目的とする:
親や祖父母から子どもへ、早い段階から資産を移転し、非課税で運用させることは、有効な相続対策となります。 - 金融教育としての活用:
子どもが成長した際、自分名義の口座があることは子供の金融教育において「生きた教材」に
なり得ます。
資産形成を「個人の問題」ではなく「家族全体の課題」として捉える視点が、長期的な成功の鍵を握ります。
5. まとめ:制度に振り回されず「目的」を見失わないために
2027年まで、まだ時間はあります。「制度が始まるまで何もしない」のではなく、今からできる準備を始めることが大切です。まずは親自身のNISA枠を整えること、あるいは、現在加入している保険の内容を見直し、余剰資金を算出することから始めてみましょう。
「こどもNISA」はあくまで資産形成を助ける一つの「箱」に過ぎません。大切なのは、その箱を使ってどのような未来を築きたいか、というご家族の想いです。
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