SNSの情報に注意!「高配当株式に投資した失敗例」

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SNSの情報に注意!「高配当株式に投資した失敗例」

高配当失敗

ここ近年、インフレが進んでいることによる金銭的不安やNISA(少額投資非課税制度)の恒久化などで、投資に関する個人投資家の関心は高まっています。特にSNS上では、「夢の不労所得!年間●十万円の配当生活」や「利回り10%以上の安定収入でFIRE」といった投稿が目立ち、特に投資初心者の投資マインドを刺激する一つの要因になっています。

こうした投稿は、配当金の受取額(●十万円など)や配当利回り10%以上など、数値的な成果を強調する傾向があり、多くの人には一見すると魅力的に映るため、投稿も拡散されやすいです。しかし、そもそも投稿者の素性も定かでない上に、投資のリスクについて十分に説明されていないケースも多く見受けられます。

今回の記事では、SNSの情報を鵜呑みに投資判断を行った結果損失を被った事例をもとに、高配当株投資における注意点と情報との向き合い方について解説していきます。最後までお読みいただければ幸いです。

個人投資家の失敗事例「株価下落と減配が同時に訪れた!」

フォロワー数十万人の人気投資アカウントをフォローしていた30代会社員のAさんは、そのアカウントで紹介されていた高配当株を複数銘柄購入しました。Aさんは投資アカウントの投稿にあったように安定した配当収入を得られると期待していましたが、数カ月後に保有していた1社が業績の下方修正と減配を発表。株価が大きく下落し含み損を抱えた上に、当社想定していたほどの配当も得られないという二重苦に直面しました。

Aさんは、「高配当を出せる企業は安定した企業」と単純に判断してしまったことや、そもそも深く考えずに投資してしまったことにより、企業の業績悪化や市場変化に対応できず大きな損失を被ってしまいました。Aさんが参考にしたSNSの投稿ではリスクについて十分な説明はされていませんでしたが、高配当と謳われる銘柄も、通常の株式と同様に値上がり・値下がりのリスクは常に存在しています。特に、異常に高い配当利回りを示している銘柄は、業績が良いからではなく株価が大きく下落していたり、配当の持続性に疑問があるケースも多いため、注意が必要です。

失敗の要因分析

失敗の要因分析

先ほどのAさんの事例で、損失が出てしまった理由を分析してみましょう。実は高配当株投資において損失を出すパターンには、共通する要因がいくつかあります。

1. 表面的な利回りの数字を鵜呑みにする

各投資サイトには配当利回りランキングなどがあり投資を行う上で一つの参考指標になっていることは事実ですが、「ただ配当利回りが高いから」という理由だけで投資判断を行うのは、非常に危険です。
配当利回りは確実に受け取れる数値ではなく、「予想配当金 ÷ 現在の株価」で算出された数字に過ぎません。あくまでも期待値なのです。また株価は日々変動するため、将来的にその利回り水準が維持されるという保証はありません。

特に株価の下落によって利回りが高く見えている銘柄は要注意です。そもそもその企業への市場評価が低下している可能性があるからです。表面的な数字に惑わされず、自分が投資しようとしている企業の業績がどうなっているのか、実態を見極めることが重要です。

2. SNSの成功体験を鵜吞みにする

SNSに投稿されている「私は○○で成功した!」などの投資実績は、成功に至った背景が分からないものも数多くあります。投稿者の資金力や投資タイミングなどが不明のまま、「自分も同じように成功したい」と考えてその通りに動いてしまうと、誤った判断につながる恐れがあります。

また、多くの投稿は投稿者の素性も不明であったり、成功した局面だけを切り取って魅力を喧伝する一方、これまでの損失や投資する上でのリスクについては言及されていないことが一般的です。投資は様々な角度での判断材料が必要です。ポジティブな情報だけで判断することは避けた方がよいでしょう。

3. 配当実績のみを基準にして企業を選んでしまった

無配当の企業もある中、「せっかく投資するなら配当金もほしい」と思うのは当たり前のことですが、「企業が配当を支払っていることだけ」を根拠に投資判断を下すには、情報収集が不足しています。
基本的に配当金は企業が生み出した利益から支払われるものです。そのためその企業の財務体質やキャッシュフローが不安定であれば、将来的に減配や無配当に転じるリスクもあります。

株式投資の基本ですが、事業の安定性や成長性、財務健全性などを含めて、その企業に投資するかどうか総合的に見極める必要があります。

投資における情報とどう付き合うか

投資における情報とどう付き合うか

SNSを含むインターネット上の情報は、アクセスも容易でリアルタイム性が高く、少しでも話題になると光の速さで拡散されます。それらの特性は便利な反面、内容の正確性や客観性に欠けるケースも少なくありません。

投資においては、とりわけ、以下のような心理状態でそれらの情報に接してしまうと、大きな影響を受け、冷静な判断が難しくなります。

『他人の成功と自分を比較してしまう』

SNSで他人の投資成功体験を目にして、「自分も早く動かなければ」と焦ることがあります。しかし、投資は人それぞれの経済状況や生活設計に大きく依存しているため、他人との単純な比較は意味を持ちません。焦りは冷静な判断を妨げる大きな要因になるため注意が必要です。

『チャンスを逃す恐怖からよく考えずに投資する』

「今買わないと儲けを逃してしまうかも」という不安から、よく考えずに投資してしまうことがあります。衝動的な投資は情報不足や高値掴みにつながりやすく、リスクがより高まります。

『インパクトのある数字に過度に反応してしまう』

「利回り10%」「年間配当100万円」といった数字は一見魅力的に見えますが、背景を知らずに飛びつくのは危険です。これまで述べた通り、高利回りの裏には株価下落や業績悪化がある場合もあり、数字だけで判断するのは避けるべき行動です。

こうした思い込みを避けるには、他者の意思が介在しない情報に基づいて判断することが大切です。具体的には、企業や組織が直接発信している公式な情報=一次情報(IR資料や決算情報、配当方針といった情報)が役立ちます。

SNSの情報はあくまで参考程度にとどめ、自分の投資目的やリスク許容度、資金力に見合った投資プランを立てることが必要です。

まとめ:高配当株はどう選べばいいの?

高配当株は、適切な情報収集を行い保有し続ければ、長期的な資産形成に有効な選択肢となります。
株式投資にはリスクが伴うことを意識し、利回りの高さや他人の成功体験に過度に影響されることなく、冷静で客観的な視点を持って何に投資するかを選んでいきましょう。

けれど、巷には情報が溢れすぎていて何を参考にすればいいのか分からず不安な方も多いと思います。「少しでも安心できる相談先を見つけたい」「基礎的なことから相談したい」という方に、IFAという選択肢をご紹介します。

IFAとは

ifaとは

IFAはIndependent Financial Advisor”の略で、近年業界で注目を集める金融アドバイザーの業態の一種です。

大きな特徴は、既存の金融機関から独立した経営方針の下、中立的な立場で顧客の立場に立った金融アドバイスができる事業形態にあります。

まだまだ認知度が低く分かりにくいため下記に特徴を紹介します。

顧客に寄り添った提案が可能

先述の通り、多くの証券会社や銀行の営業マンは会社に所属しているため、目標やノルマがあり、更に会社の方針に従う必要があります。そのため、真に顧客のための営業活動ができないことが予想されます(実際そうだと思います)。

一方、大半のIFA法人は既存の金融機関と資本関係はなく、提携する証券会社や金融機関から販売要請やノルマを課されることがないため、顧客のメリットを最優先した提案が可能です。

豊富なサービスラインナップ

IFA法人は複数の証券会社や生命保険会社等と提携しているケースが多く、それらの豊富な商品ラインナップから顧客に最適なものを提案できる強みがあります。

さらに、税理士や弁護士といった士業と外部連携をしていたり、不動産など金融以外の経験を有していたりと、金融以外の分野にも精通した資産運用全般に長けたIFA法人もあります。

さいごに

「投資を始めたいけど、何を参考にしたらいいのかわからない」とお悩みの方がいましたら、是非一度私たちoutperformまでお気軽にご相談ください。


永尾双葉
著者

永尾 双葉

取締役管理部長

大学卒業後、国内証券会社に入社し、主に東京都世田谷区の富裕層へのコンサルティング業に従事。その後、大手国内証券会社へ入社しコールセンターのSVとしてマネージメントも経験。現在は、バックオフィスとして顧客と従業員のサポートを中心に業務を行っている。
保有資格:AFP、宅建士