保険料の安さのみを重視した失敗例
「月々の保険料が安いから」という理由だけで保険を選んでいませんか?特に資産形成層である20~30代の若い世代は、保険料の安さを重視して商品を選んでしまうことが少なくありません。また意外と多い理由に、「親の付き合いのある保険屋さんと、内容はよく分からないけど契約した」というようなものもあります。しかし、保障内容や商品性を理解せずに保険料の安さのみで判断してしまうと、契約した当初は問題なかったとしても将来的な負担や後悔につながることもあります。
その典型的な事例が、「更新型保険」にまつわるトラブルです。今回の記事では、更新型保険の仕組みや実際に起こった失敗例、そして保険選びで失敗を避けるためのポイントについても解説しています。これから保険を選ぶ方や、気付かないうちに更新型保険を契約している方にも参考にしていただければと思います。ぜひ最後までご覧ください。
目次
更新型保険の仕組み
更新型保険とは、一定期間の保険期間が終了するごとに手続き不要で自動的に契約が更新されるタイプの保険のことをいいます。契約当初の保険料が安く設定される代わりに更新時には年齢に応じて保険料が再計算され、一般的に年齢が上がるにつれて保険料が高くなります。ちなみに更新型保険と比較される保険種類に「終身型」と「定期型」保険があります。
・終身型保険…保険料は払い込みが終了するときまで一定で、若いときに契約すると支払総額を抑えられることもある。その保障は一生涯続く
・定期型保険…契約期間中の保険料が一定で、決まった期限(満期)を迎えると保険契約が終了。満期後に再契約する際には再告知が必要になり、健康状態によっては再加入できないこともある
更新型保険のメリット
更新型保険の最大のメリットは、なんといっても「契約当初の保険料が安いこと」です。可処分所得が低い若い世代には、加入のしやすさが魅力です。その他にも以下のようなメリットがあります。
・商品によるが、更新時に健康状態の再告知が不要な場合が多い
・更新のタイミングで保障内容の見直しがしやすい
・教育費や住宅ローンの負担が大きい一定期間だけ保障を手厚くできる
更新型保険のデメリット
反対に、更新型保険のデメリットにはどういうものがあるのでしょうか。やはり最大のデメリットは「更新するごとに保険料が大きく上昇すること」でしょう。せっかく保険料が安い若い時期に加入しても更新時の年齢で保険料が再計算されるため、年齢が上がるに連れ家計負担が大きくなってしまいます。その他にも以下のようなデメリットがあります。
・終身型保険と比べ初期費用は安く抑えられるが、長期的に見ると支払総額が割高になる可能性がある
・更新ごとに保険料がどれだけ上がるのか予測を立てにくいため、ライフプランの組み立てに影響する可能性がある
・特に高齢になると病気のリスクが上がるため保険料が高騰→加入継続が難しくなり、必要な保障を受けられなくなる
実際に起こった失敗例
Aさんは30歳のときに、結婚して家族ができたことがきっかけで医療保険に加入しました。自分の親も加入している保険会社の営業担当から紹介されたのは、10年ごとに契約が更新される更新型の医療保険でした。保険料が月々2,800円程度だったため、「毎月の負担も軽いし、これまで保険に加入していなかったから手ごろでちょうどいいかも」と思い、更新後の保険料など内容を深く確認せずに契約しました。
ところが40歳の更新時、保険料は倍以上の約6,000円に。さらに50歳の更新時には1万円を超える見込みであることが分かりました。ちょうど一軒家を購入したばかりのAさんは、これから増え続ける保険料の支払いに強い不安を感じるようになったそうです。Aさんは、「あとで更新型保険の仕組みに気づいて、自分が必要な保険について見直すことができたが、最初に確認していれば違う選択をしていたと思う」と後悔する結果となりました。
保険選びで失敗しないための注意点
先ほどのAさんの事例は、契約時の保険料の安さに安心してしまい将来保険料がどれだけ上昇していくのかを一切想定していなかった典型的なケースです。
ここからは、保険選びで失敗しないための注意点を3つご紹介します。
将来も含めて保険料の試算を必ず行う
契約時の保険料の安さだけを判断材料にせず、10年後、20年後に保険料がどう変化するか、試算(シミュレーション)することが重要です。保険会社から将来的に保険料がどう推移するかの概算表などが提示されますので、その表をもとに将来にわたっての支払い負担を確認し、自分のライフステージと照らし合わせて判断しましょう。
担当者の提案内容を鵜呑みにしない
保険は商品も多く、馴染みがないと理解するのが難しい金融商品ですので、保険会社の営業担当者から「今安いので加入のタイミングです」「同じ年代の方はみんなこの商品を選んでいます」などと提案されると、その言葉に流されることもあると思います。しかし保険は長期契約なので、月々で考えると割安でも塵も積もれば高額になる金融商品です。営業担当者の説明をそのまま信じるのではなく、自分自身で保険内容や保険料の推移などを理解する姿勢が必要になります。各保険会社の商品には必ず契約概要や注意喚起情報があるのでそれらを確認したり、疑問点や不明点があれば質問するなど、自分自身でしっかり考える癖をつけましょう。
保険は「固定費」として家計に組み込む
保険は数十年にわたって支払いが続くため、家計の中で「固定費」に分類されます。そのため、家計負担が大きい住宅ローンや教育資金などの長期的な支出とどうバランスを取るかが大事になります。将来も継続して支払える金額かどうか、しっかり見極めましょう。
【まとめ】保険はちゃんと理解して選ぼう
更新型保険は短期間の保障を重視するのであれば一つの有効な手段にもなりますが、将来的な負担を理解せずに初期保険料の安さだけに飛びつくと、Aさんの事例のように後悔する可能性があります。保険に加入する際は、その商品の保障内容や保険料がどう推移するか、更新型か終身型かなど契約期間もしっかりと把握したうえで「この保険に入ってよかった」と思える選択をしましょう。
けれど、数ある保険の中から自分に最適な保険を選ぶのはとても難しいことです。保険選びで分からない点や不安な部分があるときの相談先として、IFAという選択肢をご紹介します。
IFAとは
IFAはIndependent Financial Advisor”の略で、近年業界で注目を集める金融アドバイザーの業態の一種です。
大きな特徴は、既存の金融機関から独立した経営方針の下、中立的な立場で顧客の立場に立った金融アドバイスができる事業形態にあります。
まだまだ認知度が低く分かりにくいため下記に特徴を紹介します。
顧客に寄り添った提案が可能
先述の通り、多くの証券会社や銀行の営業マンは会社に所属しているため、目標やノルマがあり、更に会社の方針に従う必要があります。そのため、真に顧客のための営業活動ができないことが予想されます(実際そうだと思います)。
一方、大半のIFA法人は既存の金融機関と資本関係はなく、提携する証券会社や金融機関から販売要請やノルマを課されることがないため、顧客のメリットを最優先した提案が可能です。
豊富なサービスラインナップ
IFA法人は複数の証券会社や生命保険会社等と提携しているケースが多く、それらの豊富な商品ラインナップから顧客に最適なものを提案できる強みがあります。
さらに、税理士や弁護士といった士業と外部連携をしていたり、不動産など金融以外の経験を有していたりと、金融以外の分野にも精通した資産運用全般に長けたIFA法人もあります。
さいごに
もしIFAに相談してみたいとお考えでしたら「金融資産・不動産」などをワンストップで相談できる強みがある私たちoutperformにご相談ください。
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