物価高・インフレでも購買力を維持させていく為の「資産の守り方」
スーパーマーケットでの日々の買い物や、毎月送られてくる電気代・ガス代の明細を見て、「少し前より随分と生活費が高くなったな」と感じることはないでしょうか。これは私たちの生活を取り巻く経済の環境が明確に変化している証拠と言えます。
最近、経済のニュースなどで「インフレ」という言葉を耳にする機会が増えました。インフレとは、シンプルに言えば「世の中のモノやサービスの値段が継続的に上がり、それに伴って相対的にお金の価値が下がる」という現象を指します。
たとえば、数年前まで1個100円で買えていたおにぎりが、今は120円に値上がりしたとします。この時、あなたのお財布に入っている100円玉の「額面」は100円のまま変わりませんが、その100円ではもはやおにぎりを一つ買うことはできません。つまり、お金の額面は減っていなくても、100円で「モノを買う力(購買力)」が低下してしまったということです。これがインフレの最も身近な例です。
長らくデフレ(物価が下がり続ける現象)が続いていた日本において、銀行に現金としてお金を預けておくことは「額面が絶対に減らない、最も安全な資産の保管方法」として機能していました。しかし、社会全体がインフレ環境へと移行しつつある現在、銀行預金は額面こそ減らないものの、将来買えるモノの量が減ってしまうという「購買力低下のリスク」を静かに抱えることになります。
目次
インフレ環境下における各資産の性質を知る

資産の購買力を維持し、インフレから資産を守るためには、特定の何か一つの資産にすべてを集中させることはお勧めできません。まずは、それぞれの資産がインフレに対してどのような性質や強み・弱みを持っているのかを、論理的に理解することが大切です。ここでは大きく4つの資産クラスについて、それぞれの特徴を整理してみましょう。
【1】現預金:流動性の高さとインフレへの弱さ
現預金は、日々の生活費の支払いや、病気・ケガ・失業といった万が一の事態に備えるための「生活防衛資金」として、どのような方にとっても絶対に欠かせない基盤となる資産です。いつでもすぐに引き出して使える「流動性の高さ」は、他の資産にはない最大のメリットと言えます。 しかし、先ほど触れた通り、物価が上昇していく局面においては、預金金利が物価上昇率に追いつかない限り、その実質的な価値は少しずつ目減りしていきます。「最も安全確実」と思われがちな現預金にも、インフレによる見えないリスクが存在するという認識を持つことが重要です。
【2】株式・投資信託:企業の成長を通じたインフレ対策
株式や投資信託は、長期的なインフレ対策として有効な選択肢となります。世の中の物価が上昇するということは、企業が提供する商品やサービスの価格も上がることを意味します。 企業が原材料費などのコスト上昇分を適切に商品価格へ転嫁し、売上と利益を伸ばすことができれば、それは最終的に株価の上昇や配当金の増加という形で投資家に還元されやすくなります。もちろん、短期的には経済動向によって価格が上下する変動リスクを伴いますが、世界経済全体の成長に対して幅広く分散して投資を行うことで、長期的に物価上昇のスピードを上回るリターンを目指すという考え方が基本となります。
【3】不動産(実物資産):モノとしての価値の連動性
投資用不動産(土地や建物)などの実物資産は、そのもの自体に利用価値がある「モノ」です。そのため、世の中の物価が上昇していくのに連動して、資産価値そのものや、そこから得られる家賃収入の相場も上がりやすいという傾向を持っています。 紙幣や金融資産(ペーパーアセット)だけでなく、実体のある資産(ハードアセット)を保有することは、インフレに対する強い防御策となります。ただし、不動産投資には初期費用が大きくかかる点や、空室リスク、そして売りたい時にすぐ現金化できない流動性の低さといった特有の課題もあるため、資産全体のバランスを慎重に見極める必要があります。
【4】保険:予定利率が固定された商品のリスク
生命保険や個人年金保険などの中で、契約した時点で将来受け取る金額や利率(予定利率)が固定されている「円建ての貯蓄型保険」については、インフレ環境下ではその役割を再確認する必要があります。 契約時に約束された額面通りのお金は確実に戻ってきますが、20年後、30年後に満期を迎えた際、世の中の物価が大きく上がっていた場合、受け取ったお金で買えるモノの量は減ってしまいます。つまり、インフレが進むほど、将来受け取るお金の実質的な価値が目減りしてしまうリスク(インフレ負け)があるということです。保険については、資産を増やす手段としてよりも、「万が一の保障」という本来の役割を軸に据えて考える視点が求められます。
購買力を維持するための「資産の守り方」3つのアプローチ

各資産の性質を理解した上で、これらをどのように組み合わせればインフレから資産を守ることができるのでしょうか。ここで大切なのは「どの金融商品が一番儲かるか」という視点ではなく、ご自身の目的や時間軸に合わせて資産にどう役割分担させるかという「考え方」です。ここでは具体的な3つのアプローチをご紹介します。
アプローチ1:現預金と投資の役割分担を明確にする
まず基本となるのは、保有している資産を「使うお金・守るお金(現預金)」と「育てるお金(投資)」に明確に分けることです。インフレ対策だからといって、すべての資産を投資に回すのは、価格変動リスクを抱えすぎるため大変危険です。 まずは、ご自身の生活費の半年から1年分程度、あるいはいざという時に必要となるまとまった資金を「生活防衛資金」として現預金でしっかりと確保します。これが心の余裕につながります。 その上で、当面(数年以上)使う予定のない余裕資金を、NISAやiDeCoといった国が用意した税制優遇制度を賢く活用しながら、投資に振り分けていきます。ここで重要なのは、タイミングを狙って一括で投資するのではなく、「長期・分散・積立」という手法を取り入れることです。時間を味方につけ、世界中の様々な地域の株式や債券に少しずつ分けて投資を行うことで、リスクを抑えながら世界経済の成長の恩恵を受け、資産の購買力を維持していくことが期待できます。
アプローチ2:保険は「保障」と「資産形成」を切り分けて考える
インフレ環境下では、保険の入り方や見直し方にも工夫が必要です。これまでの日本では、「万が一の保障も得られて、将来的には払った以上のお金が貯まって戻ってくる」という貯蓄型の保険が好まれる傾向がありました。 しかし、先述したインフレによる実質価値の目減りリスクを考慮すると、「保障」と「資産形成」をあえて切り離して考えるという選択肢も有効になってきます。 たとえば、ご自身に万が一のことがあった際の遺されたご家族の生活費や、病気になった際の医療費といった純粋な保障については、保険料が比較的割安な掛け捨て型の生命保険や医療保険で合理的にカバーします。そして、貯蓄型保険であれば支払っていたであろう高い保険料との「差額」を、インフレ対応力のある投資信託などの資産形成に回すという方法です。 それぞれの金融商品に得意な役割を分担させることで、より効率的で経済環境の変化に強い資産設計が可能になります。
アプローチ3:金融資産と実物資産(不動産)の組み合わせ
すでにある程度まとまった資産をお持ちの方や、ご収入に余裕のある方にとって、株や債券、投資信託といった金融資産だけでなく、不動産という実物資産を資産全体に組み込むことは、インフレ耐性をより強固にするための有効な手段となります。 金融資産は、世界中の経済成長を享受しやすく、状況に応じて売り買いがしやすいという利点があります。一方の不動産は、インフレに連動して価値が上がりやすく、毎月の家賃収入という比較的安定したキャッシュフローを生み出すことができます。 金融資産の持つ「流動性と成長性」、実物資産の持つ「インフレ耐性と安定した収益性」。この性質の異なる2つをバランスよく組み合わせることが、どのような経済環境にも揺るがない強靭な資産基盤を作ることにつながります。
あなたにとっての「最適解」を見つけるために
ここまで、インフレ時代における資産の守り方について、客観的な視点から一般的な考え方をお伝えしてきました。しかし、ここで最も重要なお話をさせていただきます。 それは、資産の守り方に「万人共通のたった一つの正解」は存在しないということです。
ご年齢、ご家族構成、現在の収入と支出のバランス、すでにお持ちの資産の状況や内訳、そして何より「将来どういう暮らしをしたいのか」「どれくらいのリスクなら、夜も安心して眠れるか」という価値観は、お客様一人ひとりで全く異なります。 そのため、ある人にとって最適な資産配分が、別の人にとっても最適であるとは限らないのです。
株式会社outperformは、特定の金融機関の営業方針や販売ノルマに縛られない「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」という立場で活動しています。 自社で特定の金融商品を作って販売しているわけではないため、「この商品を売らなければならない」という制約がありません。だからこそ、お客様にとって本当に必要な対策は何かを、中立的な立場から一緒に考えることができます。
国内外の株式や債券、投資信託といった金融商品による資産運用はもちろんのこと、不動産を活用した資産設計や、保険の適切な見直し、さらには将来の相続対策に至るまで。「お金のことなら何でも相談できる会社」として、幅広いジャンルの選択肢の中から、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な組み合わせをアドバイスすることが私たちの最大の役割です。
おわりに
物価高・インフレの時代において、資産の購買力を守るための知識を持ち、何かしらの行動を起こすことは非常に大切です。しかし、だからといって、不安に駆られて焦ってすぐに何かの金融商品を買ったり、よくわからないまま流行りの投資を始めたりする必要は全くありません。
まずは、ご自身が現在どのような資産を、どれくらいの割合で持っているのか。毎月の収支はどうなっているのか。現状を客観的に把握し、整理することから始めてみてください。それが、ご自身の現在地を知るための最も確実な第一歩です。
もし、ご自身の資産状況の整理の仕方がわからない場合や、将来のお金に関する漠然とした不安がある場合、あるいは現在金融機関から受けている提案に少しでも違和感を覚えるようなことがあれば、どんな些細なことでも構いません。ぜひ、株式会社outperformへお気軽にご相談ください。
IFAに相談するなら「outperform」

判断に迷った場合や複数の選択肢を比較したい場合は、対面アドバイザーの一種「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」に相談してみてはいかがでしょうか。
IFAは、証券会社や保険会社等の金融機関と業務委託契約を結び、所属組織に縛られず中立な立場から商品を提案できるのが最大の特徴です。世間的にはまだ馴染みは薄いですが、ネット証券と同じプラットフォームを使って資産運用を行いながら、必要に応じて対面でのきめ細かなアドバイスを受けられるという「いいとこ取り」のサービスを提供しています。
私たちoutperformは複数の証券会社・保険会社と業務提携しており、「証券・生命保険・不動産」をワンストップで相談できる強みがあります。さらに、税理士や弁護士といった士業と外部連携をしていたり、不動産など金融以外の経験を有していたりと、金融以外の分野にも精通した資産運用全般に長けたIFAが在籍しています。
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