退職金運用の方法は?上野駅周辺での相談事例を紹介
退職金運用をする前に、どんな運用方法があるのか、どんな目的で運用をするのかゴールを設定する日必要があります。
退職金運用の目的に応じて、運用方針は大きく変わってきます。老後の資金は潤沢にあり、子や孫にできるだけ多く遺してあげようと考えるケース、反対に老後資金が足りなそうため、退職金を株式などリスク資産に投資をして増やす必要があるケースなど、千差万別です。
一般的に退職金運用においては大きなリスクはとらず、お金の寿命を延ばすことを考えます。潤沢な資金を持つ人もそうでない人も、一般的な退職金の運用先としては、①投資信託、②債券、③生命保険が挙げられます。
本記事では、そもそも本当に退職金運用は必要なのか解説した上で、これまで説明した内容について実際の相談例を交えながら詳しくお伝えします。
最後までご覧いただけますと幸いです。
目次
退職金運用は必要か
そもそも本当に退職金運用が必要なのか。退職金の額や平均寿命、必要な生活費から考えてみましょう。
退職金の平均は大企業で2,000万円、中小企業ではその半分程度
厚生労働省、中央労働委員会『令和3年賃金事情等総合調査』によると、大学卒・総合職・60歳・定年退職で2,563.9万円、高卒・総合職・60歳・定年退職で1,971.2万円。製造業はそれぞれ2,342.1万円、1,875.3万円と少し低い額となっています。
一方、東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』によると、大卒の定年退職で1,091.8万円、高卒で994万円となり、大企業に比べ半分程度になります。
平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳
厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳でとなり、過去最高を更新しました。
年金支給開始を65歳からとすると、男性で約16年、女性で約22年「年金+貯蓄」で生活をする必要があります。
医療の進歩や長生き化が進んでいるため、この数字は更に更新すると言われています。
ゆとりある老後生活費は平均37.9万円
さて、老後の最低日常生活費はどれくらいかかるのか。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後生活を送る上での最低生活費は月額/23.2万円となっています。年間で23.2万円×12か月=約278万円が必要となります。
一方、ゆとりある老後生活費は月額/37.9万円で、年間で37.9万円×12月=約454万円必要になる計算になります。
ここでのゆとりある老後生活費とは、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した額のことです。
せっかく時間に余裕ができたのであれば、旅行や趣味にお金を割きたいと考えますよね。
加えて、以前に比べ医療費もかかるようになることが予想されるため、ある程度の余裕はもっておきたいところです。
退職金運用の選択肢
退職金運用をする場合、下記3点が代表的な運用手段と考えられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
退職金運用のための投資信託
最も選択肢が多いのがこれらで、一般的に値上がり益の獲得を目指す商品です。
投資信託は、ファンドマネージャー(投資のプロ)が国内外の株式や債券、その他資産へ投資を実行します。国内に約6,000本程度存在し、代表的な投資対象である株式や債券だけではなく、金や不動産など、さまざまな対象に投資が可能です。
毎月、中には毎日積立ができるものもあり、少額かつ複数銘柄を購入することができ、投資の基本である「長期・積立・分散」を実践できます。
投資信託は一般的に、購入時手数料、信託報酬(購入後、保有期間中発生)の負担があり、最低限それらの負担より値上がりする必要があります。
退職金運用のための債券
債券とは、国や地方公共団体、事業会社にお金を貸すことで金利を得るものです。
1年に1回、半年に1回など、決まった日に決まった金利を獲得できることが特徴です。
安定的に金利を獲得することがきるため、「年金収入にプラスα」を重視するのであれば生活費の目途が立てやすいでしょう。
加えて、債券は発行体が破綻をしなければ、償還時に購入額面通り戻ってきます。比較的安全性が高い反面、満足のいく金利収入を得るにはある程度まとまった資金が必要となります。
ただし債券は「購入金額=額面」であることや、運用期間中に費用が発生しないことは大きなメリットになります。
退職金運用のための生命保険
生命保険でも退職金の運用は可能です。
「自分や家族が病気になった際の医療費が不安だ」「資産の状況を鑑み、一時的にも元本の値下がりは受け入れられない」といった方向けに、万一の補償を備えつつ、資産運用効果も期待できる商品が存在します。
また、ご自身で投資商品を選んで運用するのではなく、全て保険会社が行うため、あれこれ悩む必要がないことも保険会社で退職金運用するメリットになります。
上野在住のお客さまからの相談事例
戦前から3代続く商店の社長様(現在は会長)からの相談事例です。
ご子息に会社を継ぎ、ご自身は自社から退職金を貰ったため、付き合いのある金融機関に運用相談をしたそうです。ところが、提案内容は「大きな値上がり益を目指した投資信託1本の購入」であったため不安に思い、私にセカンドオピニオンを求め相談を頂きました。
確かに中長期では値上がり益の獲得が目指せるものの、社長自身に十分な資産があることや、引退後も不動産収入があることを踏まえると、「増やすよりは遺すこと」を考えたらどうかと提案しました。その発想はなかったと喜んでいただき、現在の良好な関係が築けています。
まとめ
退職金の額や老後に必要な生活費等、状況はさまざまであり、退職金運用が必要かどうかは人それぞれです。また、3点に絞って退職金運用の商品を解説しましたが、他にも多くの手段があります。
退職金運用に迷った際は金融のプロに相談することも選択肢のひとつです。
退職金運用を行う上で、自分に合う相談先を選定することが一番重要です。
大切な退職金の運用を相談するには、下記の3点が大事です。
■生涯の資産運用パートナーになってくれるか
■中立的な立場で最適な提案・アドバイスをくれるか
■幅広い商品を扱っているかどうか
ただ、信頼できる相談先を見つけたからといって「あなたに全て任せる」ではいけません。投資はあくまで自己責任であり、資産運用の判断をするための生涯のパートナーを見つけましょう。