証券会社・銀行の提案を鵜呑みにした投資信託の運用失敗事例
投資信託は、近年の資産運用熱の高まりで、投資対象として存在感を増している商品の一つです。最近、テレビや雑誌、SNSでも目にする機会も多いのではないでしょうか。従来の日本では、「資産運用はお金持ちのためのもの」という意識が根強く、欧米に比べて貯蓄率が異常に高いことで有名でした。しかし現在、個人で将来の年金を準備するiDeCoが浸透してきたことや、2024年から新NISAがスタートしたことにより、現役世代や若年層にも資産運用が身近になってきています。特に新NISAにおいては、成長投資枠・つみたて投資枠ともに投資信託が買付対象になっているので、今後ますます投資信託を検討する場面も増えることでしょう。
ただ、投資にリスクがあることは分かっているけれど、せっかく投資するならなるべく失敗を避けたいと考える人は多いのではないでしょうか。
一般的に投資信託における失敗とは、投資した金額よりもマイナスで運用を終えることを指しますが、本記事では、投資信託を選ぶうえで失敗しがちな事例のうち、「自分が理解(納得)できない商品を選んで失敗してしまった」ケースについてご紹介します。
この記事を読んでいる方の中にも、営業マンの熱意に押されて、商品性を二の次にして投資信託を購入した経験はありませんか?自分が保有している商品の中身が分かっていないと、運用がうまくいっているときは問題ないかもしれませんが、いざ損失が出たとき、運用を続けるべきか売却すべきか悩んでしまいます。
もちろん一番問題なのは、お客様に理解してもらう努力をしていない営業マンであることは言うまでもありません。しかし、大切な資産がどんな商品で運用されているのか、自身で把握しておくこともとても重要です。
本記事では、私が実際に営業の現場やコールセンターで相談を受けた経験も交えながら、どんな営業マンに気を付ければいいのか、どんな対策をすれば良いのか、ということをお話していきます。今後、投資信託の購入を検討する方のご参考になれば幸いです。ぜひご一読ください。
また、投資信託について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください
目次
失敗例『自分が理解できない(納得できない)商品を買ってしまう』
投資信託を購入する方法は大きく分けると、対面(窓口)とネットに分類されます。そして、運用に関するアドバイスがほしいというときに、対面取引であれば営業員が担当するようになります(一部ネット証券でも担当制の場合があります)。また投資信託は証券会社だけでなく、銀行や信用金庫、郵便局でも購入することができます。
一般的に、担当者に相談したいと思う理由はおそらく、「初心者なのでプロの視点でアドバイスがほしい」「ネットだけでは不安・・・」「忙しくて自分で調べる時間がない」などが大半だと思います。(もしかすると、「仕事の付き合い上仕方なく」や、「親子代々お世話になっているから」という理由で、担当者にお願いしているという方もいるかもしれませんが…。)
ただ、担当者がいるからといってすべて任せきりにしてしまうのはよくありません。その理由を以下に詳しく説明していきます。
①マーケットに詳しくない
投資信託は2024年1月現在約6,000本あり、各金融機関で取り扱っている商品は異なります。担当者は最低限自社が販売している商品の内容を把握し、普段から株式や金利、商品相場の知識を身に着けておく必要があります。最近では、AIやロボット関連の株を組成したテーマ型投信などが人気を博していますが、普段株式相場に関心のない金融機関の営業マンの場合、今後のマーケットの見通しも持っておらず、「最近値上っているから・会社で一番の売れ筋だから」という理由だけの営業トークに終始することも少なくありません。そのため、一時的に相場が崩れ運用がマイナスになってきたときにも、営業マン自身に相場観がないため、お客様に適切なアドバイスができない、ということがあります。
②会社の目標やノルマに縛られている
金融機関にはやはり目標やノルマがあり、それは月・週・日ごとにも設定されていることが多いです。ときには会社の意向に沿った商品を販売する必要があり、「今が買い時です!」と、勢いだけでお客様に提案してしまう営業マンもいることでしょう。
お客様から相談された実例
ここからは私が証券会社時代に実際にお客様から相談された事例をお話ししていきます。
70歳代の女性で、当時私とは株式を中心に取引していただていた方です。自営業をしていた関係で、地域の信用組合や郵便局とも付き合いがありました。特に郵便局では新商品が出るたびに投資信託を提案され、勧められるがまま多くの商品を購入していたそうです。しかし普段から定期的なフォローもなく、日銀の異次元金融緩和政策や、トランプ大統領が誕生したときなど、相場が大きく変動した時でさえも担当者から連絡はありませんでした。しびれを切らして担当者に連絡をしても、納得のいくアドバイスをもらえなかったとのことで、私に相談してくださいました。「強く勧められたから買ってしまったけれど、内容も良く分かっていない商品を買うのはよくないわね。」と反省をされ、『自分が理解できない商品は買わない』と、今後投資するうえでの教訓にされていました。
また、コールセンターでお客様から投資信託の解約を受け付ける際に、「担当者から強く勧められて買ったけど、実のところどんな商品か理解してなかったから売り時を逃してしまった」、「担当者から連絡がないからうまくいっていると思っていたのに、運用報告書を見たらずいぶん損していた」などのお話をされる方もいらっしゃいました。
失敗を避ける方法とは
では、投資信託の失敗することを避けるにはどうすればよいのでしょうか。私がお伝えしたいのは、「魅力的なセールストークであっても、何度説明を受けてもよく分からない商品は買わない」ということです。これは投資の神様といわれるウォーレン・バフェット(50年以上にわたって投資を続けているアメリカの実業家兼著名投資家)も「わからないものには投資しない」と長年にわたって実践する手法です。
提案された商品が、雑誌やニュースでよく目にするトレンドワードを冠するものであっても、まずは「自分がその内容を十分に理解できているのか」と自問自答してみてください。
トレンドだからといって無理に買う必要は全くありません。それでも気になる商品であれば、一度持ち帰ってネット上でその投資信託を検索してみるのもいいでしょう。販売用資料や目論見書、月次報告書など商品性を詳しく知ることができます。自分できちんと検討したうえで購入を決めたのならば、どのタイミングで売却すべきかなど、自分の判断基準も持てるかもしれません。
以上の内容を踏まえたうえで、適切な相談先を設けたい、無理を強いることのない担当者と二人三脚で運用を行いたいとお考えの方に、IFAという選択肢をご紹介します。
IFAとは
IFAはIndependent Financial Advisor”の略で、近年業界で注目を集める金融アドバイザーの業態の一種です。
大きな特徴は、既存の金融機関から独立した経営方針の下、中立的な立場で顧客の立場に立った金融アドバイスができる事業形態にあります。
顧客に寄り添った提案が可能
先述の通り、多くの証券会社や金融機関の営業マンは会社に所属しているため、目標やノルマがあり、更に会社の方針に従う必要があります。そのため、真に顧客のための営業活動ができないことが予想されます(実際そうだと思います)。
一方、大半のIFA法人は既存の金融機関と資本関係はなく、提携する証券会社や金融機関から販売要請やノルマを課されることがないため、顧客のメリットを最優先した提案が可能です。
豊富なサービスラインナップ
IFA法人は複数の証券会社や生命保険会社等と提携しているケースが多く、豊富な商品ラインナップから顧客に最適なものを提案できる強みがあります。
そして所属IFAは、マーケットだけでなく関連する様々な分野に興味関心を持ち、日々自己研鑽に励んでいます。
さいごに
対面取引を生業としている営業マンにとって、お客様から「担当者に付いてもらって取引をお願いしたい」と言ってもらえることは、特にネット取引が主流となりつつある現代においては、とてもありがたいことです。
もし現在、対面取引でお困りのことがあれば、お客様に寄り添うことができる私たちoutperformに是非ご相談ください。