個人年金保険のメリット・デメリット

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個人年金保険のメリット・デメリット

個人年金保険

個人年金保険は、老後の生活資金が不足する場合に備えて、年金制度の3階部分にあたるiDeCo(イデコ)と並び公的年金を補完するしくみとして存在する保険商品です。個人年金保険が注目されている理由は、日本人の8割以上の人が老後の生活に不安を感じており、特に経済面に不安を抱えている人が多いためです(令和4年度生活保障に関する調査)。

実際に老後の生活費はどれくらいかかるのかというと、平均的な世帯生活費は約28万円/月、ゆとりある生活費であれば約36万円/月という調査があります。

通常の厚生年金だけでは到底賄うことはできず、貯蓄を切り崩していくこととなります。

それも平均寿命が延びる中、いつ貯蓄が枯渇するか分からないという不安は大きいと思います。

そのような不安を感じる中、少しでも老後の生活を充実させようと個人年金保険は人気があります。

今回は個人年金保険に加入するメリットは、①貯金が苦手な人でもお金が貯められる②途中解約してしまう可能性を下げられる③運用の知識が無くても安心、といったことが挙げられます。

反対に個人年金保険は、短期間で解約する場合は解約控除が発生する点や、保険会社に運用を任せることで発生する費用など、高コストであることには注意を払う必要があります。

個人年金保険のメリットやデメリットを踏まえて加入するか検討できるよう、本記事ではこれまで記載した内容を詳しくお伝えしていきます。 最後までご覧いただけますと幸いです。

個人年金保険のメリット

メリット

個人年金保険は、公的年金を除くと老後資金を準備するために一番選ばれている方法です。まずは、個人年金保険のメリットを3点解説します。

貯金が苦手でもお金を貯めていきやすい

老後に向けてコツコツ貯蓄ができれば一番良いですが、「現金で持っているとついつい使ってしまう…」ということはありませんか?そういう人はあらかじめ老後資金を先取りし、無理やりにでも貯蓄する仕組みを作ってしまうことをおすすめします。

個人年金保険に加入した場合、毎月や半年ごとなど自動的に口座振替で積立されるため、「今月はやめておこう」といったことが起こらなくなります。

実際、これまで関わってきたお客さまでしっかり貯蓄できている方の特徴のひとつに、何かしら毎月コツコツ積立を行っていたことが挙げられます。上場企業であれば持株会、純金、外貨建て保険など、最初からそのお金は無いものと考え長期にわたり運用をした結果、想定以上にまとまった老後資金を確保できたケースを何度も見てきました。

個人年金保険もこれらと同様に計画的に老後資金を準備するために有効だと考えます。

途中解約してしまう可能性を下げられる

次に、個人年金保険は途中で解約しづらいという点が挙げられます。

一般的に個人年金保険は8~10年の据置期間があり、平準払い(月々や年払いなど複数回にわたり保険料を払う方法)にせよ一時払いにせよその期間運用を続けなければ年金は受け取れません。

投資信託や株式のような有価証券運用であれば、基本的にマーケットが動いていればいつでも売買できます。今日買ったものが明日大きく値下がりすることもあり、価格変動が不安ですぐに売却してしまう人をよく見かけます。

その点で個人年金保険については据置期間もあり、年金を受取るという目標があれば短期的に解約しようとする意思は働きにくいのではないでしょうか。

もちろん途中解約はできるのですが、早期解約をした場合解約返戻金が払い済み保険料を大きく下回るため、すぐ解約してそのお金をつかうことには繋がりにくくなります。

ほったらかし運用が可能

老後の備えとして個人年金保険への加入を検討する際、株式や投資信託などへの投資と比較するケースも多いかと思います。

結論から言うと、個人年金保険は資産運用の初心者に向いているものです。皆さんが支払った保険料は保険会社が自ら運用もしくは、別勘定で投資信託のようなものに投資されます。そのぶん余計に経費はかかるものの、基本的に個人年金保険加入後は特段何もしなくて(特別勘定の場合は運用先の変更が可能)も年金受け取り開始後もずっと運用を継続してくれます。

一方、証券運用を担当者がつかないインターネット証券ではじめる場合、自身で投資先の選定、投資開始後は内容の点検をする必要があります。国内株式や投資信託だけでも数は1万を超えます。投資初心者であればなかなか何に投資をすればよいか判断は難しいのではないでしょうか。その点で個人年金保険はそういった手間がほとんどかからないメリットはあります。

個人年金保険のデメリット

デメリット

個人年金保険のメリットについて解説しましたが、反対にデメリットはないのでしょうか。こちらもポイントを3点に絞り解説していきます。

コストが高くなる

前項でも触れましたが、資産運用を保険会社に任せるため、自分自身で運用するのと比べ余分なコストはかかります。

例えば、「投資信託で運用する個人年金保険に加入した場合」と「証券会社や銀行で担当者を通じて投資信託を購入した場合」について例を用いて簡単なコスト比較をします。

  • 投資信託で運用する個人年金保険に加入した場合

・保険関係費用(積立時かかる費用、運用維持費等)=年間約5%

  • 証券会社や銀行で担当者を通じて投資信託を購入した場合

・購入時手数料3%+信託報酬(運用管理費)約1.7%=年間約4.7%

正直、これだけ見るとほとんどコストの差は無いように見えますが、個人年金保険とよく比較されるつみたてNISAであれば購入時手数料はゼロ、信託報酬も1%台を切るものが大多数です。

もし金融機関の担当者から上記例のような投資信託を購入する場合も、複数銘柄への分散投資や有益な投資のアドバイスが得られるのであれば十分価値はあると思います。

加えて、個人年金保険は、積立開始から一定期間内での解約の場合、解約控除金が発生するような商品もあります。

また、来年からはじまる「あたらしいNISA」は更に税務上メリットが大きくなるため、しっかり資産運用する目的を明確にしたうえで、個人年金保険に加入するかどうか比較検討する必要があるでしょう。

受け取れる時期が遅くなる

メリットで解説したように個人年金保険は8~10年の据置期間が必要です。そのため、加入年齢によっては実際に必要なタイミングで年金として受け取れない可能性があります。

退職金を60歳で受け取り個人年金保険に加入。据置期間を10年間にした場合、年金受け取りは70歳からとなります。公的年金を65歳から受け取る場合、5年間の空白ができてしまい、「リタイアし時間に余裕が持てたのに経済的余裕がない…」ということも考えられるため、加入のタイミングは非常に重要です。

また、こういったケースで運用をする場合も注意が必要です。変額保険の場合、マーケット環境によって年金額は変動します。運用期間が短ければ短いほど、価格変動の波が大きくなり、年金受け取りのタイミングがちょうど下落局面になっていることも考えられます。より長期にわたり運用ができている方が運用成果の積み上げ分があるため、払込保険料よりも年金受取金の方が少ないということは起きにくいと思います。

保険料控除の効果が薄い

よく「保険料控除が受けられる」ということを前面に押している記事を見かけますが、果たして本当にそうでしょうか。2012年以降に加入した保険では、所得控除額の上限は所得税40,000円・住民税は28,000円です。たしかに合計68,000円の税控除が受けられるメリットはありますが、加入者全員が同様に税控除を受けられる訳ではありません。2点注意点があります。

  • 保険料払込期間が10年以上であること
  • 一時払いの場合個人年金保険料控除の対象外

継続して保険料を納付する必要があり、ボーナスや退職金等で一時払いで加入した場合は保険料控除の対象外となり、保険料控除のメリットを享受できるのは長期にわたりコツコツ積み立てる人だけです。

まとめ

ここまで個人年金保険についてメリット・デメリットを解説してきましたが、個人年金保険は下記のような人に向いている商品だと考えます。

・シンプルな仕組みで、堅実かつ確実なリターンを求める資産運用初心者の方

・手元に現金があるとすぐ使ってしまう可能性が高く、資金をロックしたい方

また、特に退職までまだ時間がある年齢層の方が加入する場合は、運用の成果を上げつつ税制のメリットも享受でき、長期にわたり老後の資産形成の一助になるのではないでしょうか。

ただ先ほども少し触れましたが、2024年からは「あたらしいNISA」がはじまり、老後の資産形成の方法は大きな転換点を迎えます。この記事などを通じて個人年金保険一択だと考えている人もNISAと比較してからでも決して遅くはありません。

ただ、いざ「資産運用をはじめようと思ってもどうすれば分からない」「誰に相談したらいいか分からない」という場合はIFAに相談してみてはいかがでしょうか。

IFAとは

ifa

IFAはIndependent Financial Advisor”の略で、近年業界で注目を集める金融アドバイザーの業態の一種です。

大きな特徴は、既存の金融機関から独立した経営方針の下、中立的な立場で顧客の立場に立った金融アドバイスができる事業形態にあります。

まだまだ認知度が低く分かりにくいため下記に特徴を紹介します。

顧客に寄り添った提案が可能

先述の通り、多くの証券会社や銀行の営業マンは会社に所属しているため、目標やノルマがあり、更に会社の方針に従う必要があります。そのため、真に顧客のための営業活動ができないことが予想されます(実際そうだと思います)。

一方、大半のIFA法人は既存の金融機関と資本関係はなく、提携する証券会社や金融機関から販売要請やノルマを課されることがないため、顧客のメリットを最優先した提案が可能です。

豊富なサービスラインナップ

IFA法人は複数の証券会社や生命保険会社等と提携しているケースが多く、それらの豊富な商品ラインナップから顧客に最適なものを提案できる強みがあります。

さらに、税理士や弁護士といった士業と外部連携をしていたり、不動産など金融以外の経験を有していたりと、金融以外の分野にも精通した資産運用全般に長けたIFA法人もあります。

さいごに

もしIFAに相談してみたいとお考えでしたら「金融資産・不動産」などをワンストップで相談できる強みがある私たちoutperformにご相談ください。

「生涯にわたる資産運用アドバイザー」として、あなたに最適なご提案をさせていただきます。

ifaへの相談の流れ

著者

永尾 大地

(株)outperform
代表取締役

不動産業に特化した広告代理店、証券会社、不動産会社、個人事業主として金融仲介業(IFA)等を経て(株)outperformを設立。金融商品だけではなく、不動産などを含めたコンサルティングを行っており、資産を「増やす・守る・遺す」といったあらゆる資産運用ニーズに応えている。
会社経営者や不動産オーナーなど、個人・法人を問わず好評を得ている。
保有資格:AFP、宅建士