退職金運用におけるNG行為とは

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退職金運用におけるNG行為とは

退職金運用のNG

退職金運用におけるNG行為を数え上げるときりがありません。

「人生100年時代」「老後2,000万円問題」など、退職後の生活の不安を煽るニュースが多いため、「退職金運用をして少しでも老後資金を増やそう」と考える方も多いでしょう。

せっかく頑張って手にした退職金運用に失敗してしまうケースとして、①ハイリスク・ハイリターンを求めてしまう、②銀行から勧められた「退職金運用プラン」や「退職者特別プラン」に申し込んで安心してしまう、③退職金をひとつの商品にまとめて投資してしまう、こういったことが挙げられます。

今回は、退職金を手にした投資初心者や投資経験が浅い方がよく陥る「退職金運用におけるNG行為」についてこれまで説明した内容に加え、一般的な退職金運用の方法について詳しくお伝えします。

最後までご覧いただけますと幸いです。

NG行為①ハイリスク商品で運用する

時間にゆとりもできたため、退職金を元手に信用取引やFX、暗号資産など、ハイリスク・ハイリターンの商品で増やそうと考えるのはお勧めできません。短期的な利益を追求すると、比例して短期的に大きな損失を抱える可能性が高まります。

もちろん、余裕の範囲内でそれらに投資をすることは悪いことではありませんが、退職金運用においては向いていないと思います。

NG行為②「退職金運用プラン」や「退職者特別プラン」で安心してしまう

多くの銀行には、「円定期預金」と「投資信託」or「ファンドラップ」がセットとなった退職者向けの運用プランがあります。預金金利は年利7%以上と非常に魅力的な水準に見えますが、預入期間は3ヵ月と短く設定されていることがほとんどです。3か月が過ぎると通常の定期預金金利に戻るため、1年を通してみるとそこまで高金利ではなくなります。

また、同時に購入しなければならない投資信託やファンドラップについては、運用コストが比較的高いものが選定されています。購入手数料に加え、運用期間中に発生する信託報酬などが高いものから購入をする必要があり、預金金利が少しお得でもそれらの費用の方が十分高くつく可能性はあります。

NG行為③退職金をひとつの商品にまとめて投資する

インターネット等で情報収集をしたものの、「よく分からないからこれでいいや」「この商品(銘柄)の名前は聞いたことがあるから全額これにしよう」ということはよくあります。

退職金運用において、ひとつの商品をまとめて購入することはやめましょう。購入のタイミングが良く、短期的に利益が出ることもあります。しかし、想定外の方向に動く可能性も十分に考えられ、大きな損失発生の可能性が高まります。

投資の基本は「分散」です。分散投資をすることのメリットは、ひとつの商品の運用成績が悪くても、他の商品が補完してくれるというように、値動きのリスクを軽減することができます。

退職金運用は「大きく増やす<減らさない」ことが重要

退職金を安心して運用するためには、大きな値上がりを目指すより、大切な資産を減らさないように長期的な視点を持って無理なく投資をすることが必要です。

参考までに一般的な退職金運用の方法を紹介します。

退職金運用としての投資信託

先ほど分散の話はしましたが、投資の原則は分散に加え「長期・積立」もとても大事です。投資信託を用いれば同時に「長期・積立・分散」が簡単に行えます。少額から購入可能で、毎日、毎月決まった日に購入するといった方法でコツコツ投資が実践できます。

2024年から大きく制度が変更される「NISA」を活用するのもお勧めです。

退職金運用としての高配当株式

高配当株式を保有することで、ある程度決まった金額・時期に配当金を受け取ることができます。

例えば、年間配当金100円の株を1,000株保有していた場合、100,000円(※税金を考慮せず)の配当金を受け取れます。年金にプラスαの収入が見込めることと、さらに状況によっては値上がり益も獲得できる可能性があります。

もちろん株式投資ですので、最悪のケースは元本がゼロになります。このケースは稀としても、株式はその会社の事情以外にもさまざまな要因で価格が変動することには留意が必要です。

まとめ

退職金

生活物価の上昇や高齢化などにより退職金を「現金として切り崩しながら老後生活を送る」から「運用しながら必要な分を売却して使う」が主流になってきています。

ただ、退職金を運用するにあたり、投資初心者にありがちな「ハイリスク商品に手を出す」等のNG行為は貴重な退職金を大きく減らしかねません。

自分自身でどうしても判断が難しい場合は積極的にプロに頼ることも選択肢の一つになると思います。

正しい情報を得て充実した老後生活を送りましょう。


著者

永尾 大地

(株)outperform
代表取締役

不動産業に特化した広告代理店、証券会社、不動産会社、個人事業主として金融仲介業(IFA)等を経て(株)outperformを設立。金融商品だけではなく、不動産などを含めたコンサルティングを行っており、資産を「増やす・守る・遺す」といったあらゆる資産運用ニーズに応えている。
会社経営者や不動産オーナーなど、個人・法人を問わず好評を得ている。
保有資格:AFP、宅建士