貯金代わりに保険に入っている人へ!「貯める」と「備える」を分けるメリットについて解説
若い頃や独身時代に、「若いうちに終身保険や養老保険に入っておくと、将来の貯蓄にもなるし保険料も安いですよ」と勧められ、貯金感覚で加入し、現在も契約を続けている方は多いのではないでしょうか。
万が一の備え(保障)を持ちながら同時にお金も貯まるという仕組みは、一見すると非常に合理的で魅力的に感じられます。
しかし、個人で手軽に資産形成ができる選択肢が広がった現在では、「保障(備える)」と「貯蓄(貯める)」を別々に分けることのメリットに注目が集まっています。
今回は、貯蓄性のある保険の仕組みを整理しながら、これらを切り離して考えることで得られる具体的なメリットを客観的に解説します。
そもそも「貯蓄性のある保険」はどういう仕組み?
終身保険や養老保険、変額保険などの貯蓄性保険は、支払った保険料の一部が将来のために積み立てられ、満期を迎えたときや解約したときにまとまったお金が戻ってくる仕組みです。
◦定額保険(従来の終身・養老保険など):
加入した時点で、将来受け取れる満期金や解約返戻金の額(または返戻率)があらかじめ約束(確定)されているタイプです。
◦変額保険:
集められた保険料を、保険会社が投資信託などの金融商品(特別勘定)で運用する保険です。運用の実績によって、将来受け取れるお金が増えることもあれば、元本を下回る(元本割れする)こともあります。
どちらのタイプも、保険会社は集めた保険料から「万が一の保障費用」や「保険の維持・管理手数料」を差し引いて積立や運用を行っています。そのため、支払った保険料の全額がそのまま貯蓄や運用に回っているわけではない、という点は共通しています。
「貯める」と「備える」を別々に分ける3つのメリット

では、保障は掛け捨てのシンプルな保険で「備え」、貯蓄や運用は投資信託などを活用して「貯める」というように、目的を2つに分けるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット①:お金を「増やす効率」がアップする
保険を通じて貯蓄や運用を行う場合、どうしても保障コストや保険会社の手数料が差し引かれます。 一方で、貯蓄や運用を投資信託(NISAなど)に特化させれば、これらの保障コストがかからないため、純粋にお金を増やす効率を高めることができます。
メリット②:万が一のときの「備え(保障)」を大きくしやすい
貯蓄性保険で「もしもの時の保障」を大きくしようとすると、貯蓄部分の保険料も連動して上がるため、毎月の支払いが非常に高くなってしまいます。 「備える」部分を掛け捨てのシンプルな保険に分けることで、毎月の保険料負担を抑えつつ、家族に必要な数千万円規模の大きな保障を無理なく確保しやすくなります。
メリット③:ライフステージの変化に合わせて「柔軟に引き出せる」
貯蓄性保険の多くは、途中で解約すると元本割れ(解約による控除)のリスクがあるため、一度始めたら数年~数十年単位で引き出せないのが一般的です。 一方で、投資信託などの運用であれば、急な出費やライフイベント(教育資金、住宅購入など)の際に、ペナルティなしで必要な分だけ柔軟に現金化することができます。(課税口座であれば利益に対して税金が掛かります。)
【目的別】自分に合うお金の置き場所を整理しよう

どちらの方法が適しているかは、ご自身のライフスタイルやお金の目的によって異なります。
| 比較項目 | 定額保険(終身・養老など) | 変額保険 | 投資信託(NISA口座など) |
| 運用の成果 | 加入時に確定 | 運用の実績次第で変動 | 運用の実績次第で変動 |
| 万が一の保障 | あり(契約時の金額) | あり(基本保険金は最低保証) | なし |
| 途中解約時のルール | 早期解約は元本割れのリスク大 | 早期解約は元本割れのリスク大 | いつでも引き出し可能(手数料等のペナルティなし) |
| 主な目的 | 確実なお葬式代や遺された家族への資金準備 | 保障を持ちながら、インフレ対策や運用の成果を期待したい | 効率よく「自分の資産を増やす」ことに特化したい |
自分にとってどちらが向いている?判断するための2つの視点
どちらの方法を選択するか、あるいは組み合わせて使うかを判断する際は、以下の視点でご自身のお金の使い方を整理してみるのが有効です。
「万が一の保障」が本当に必要か
もし、「自分が今亡くなっても、経済的に困る家族がいない(あるいは、すでに十分な保障が別の保険で用意できている)」という場合、保険の仕組みを使って貯蓄・運用する必要性は低くなります。純粋に資産を増やしたいのであれば、保障コストの発生しない独立した運用手段を検討するのも一つのアプローチです。
「途中で使う可能性」があるお金か
数年後の結婚資金、マイホームの頭金、子どもの教育資金など、数年〜十数年以内に使う可能性があるお金の場合、途中で解約すると元本割れ(あるいは解約による控除)のリスクがある保険は使い勝手が悪くなることがあります。一方で、数十年先まで絶対に手をつけない老後資金であれば、保険の「強制的に長期間引き出せない仕組み」がプラスに働くケースもあります。
まとめ:目的に合わせた「使い分け」を
「一つの保険ですべてを兼ね備える」という方法が合っている場合もあれば、「貯める」と「備える」を別々の道具(保険と投資信託など)で合理的に分けることが適している場合もあります。
まずは現在の状況を整理するために、以下のステップから始めてみてはいかがでしょうか。
■現在の「解約返戻金の推移表(設計書)」を確認する
もし今加入している貯蓄性保険があれば、「今やめたらいくら戻るのか」「将来何年後にいくらになるのか」を把握し、現在のお金の置き場所として最適かを客観的に確認してみましょう。
■保険会社に「払済(はらいずみ)保険」への変更が可能か確認する
「これ以上保険料を払うのは厳しいけれど、今解約すると元本割れしてしまう」という場合、今後の払い込みを止めて、これまでに貯まった分だけで保障を継続する「払済」という制度が使えるかどうか、保険会社のカスタマーセンターで確認することができます。
自分のお金の目的をすっきりと整理し、最適な道具を選んで効率のよい資産形成を目指していきましょう。
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